ワックス剥離が起きたら
フローリングの床にワックス剥離が起きている箇所を見つけると、ドキッとするものではないでしょうか。特に賃貸物件では、退去するときに原状回復の費用を負担しなければならないのではないかと不安になるものです。
ワックスがけは基本的に、管理会社や貸主が費用を負担するものと決まっています。しかし、入居期間中に借主がワックスがけを行うこともできます。
ただし、ワックス剥離を補修しようとして勝手にワックスがけを行ったり、ワックスがけによってフローリングの床に傷を付けた場合には、原状回復の費用を負担しなければなりません。
今回は、賃貸物件のフローリングの床にワックス剝離が起きたときや、ワックスがけをするときに注意したいことについて紹介したいと思います。
ワックス剥離の対応
フローリングの床にワックス剝離が起きたときには、入居者がワックスがけを行えます。ただし、自然損耗によってワックス剝離が起きた場合には、貸主の負担によって補修してもらえます。
これは、原状回復の指針を示すガイドラインに記載されているものです。ワックス剝離が入居者が注意や管理を怠ったり、故意によるものでなければ、ワックス剝離の補修は貸主が負担する必要があると定められています。
単にフローリングの床をきれいにしたい場合などでは、原状回復の規定に当てはまらないため、入居者の負担になります。また、ワックス剝離を補修しようとしてフローリングの床が傷ついた場合には、原状回復の費用を負担する対象になるため、注意しましょう。
実際のワックスがけでは
入居者がワックス剝離を補修するためにワックスがけを行うときには、
・養生
・古いワックスを剥がす
・ワックスをかける
という手順で進めていくと良いでしょう。
ワックスを塗布するときには、換気や手袋などを忘れないようにすることがポイントです。
養生
ワックス剝離を補修するときには、まず周囲が汚れないように養生するようにしましょう。家具を移動したり、シートなどを用意すると良いでしょう。
ワックス剝離が起きている箇所やワックスを塗りたい場所以外にワックスが付かないように、養生することが大切です。
このとき、壁や設備にワックスが付いてしまうと、その場所が原状回復の対象となります。
養生シートなどを使ってしっかり養生するようにしましょう。養生テープを使うときには、テープの粘着力が強いと、壁紙やほかの箇所のフローリングが剥がれてしまう場合もあるため、注意が必要です。
ワックスを剥がす
周囲の養生ができたら、専用の剥離剤を使って古いワックスを剥がします。
ワックス剥離が起きた古いワックスの上に、そのまま新しいワックスを重ねて塗布してしまうと、ワックス剥離が起きた部分が劣化します。
劣化が進むと黒ずみなどが出るため、新しいワックスを塗布するときには、古いワックスは剥がすようにしましょう。
ワックスを塗布する
古いワックスを剥がしたら、新しいワックスを塗布します。
部屋の中心からワックスをかけると、ワックスが乾かないうちにワックスを踏まなければならなくなるため、部屋の奥から出口に向かってワックスがけを行いましょう。
ワックスをかけたあとは、完全に乾燥するまで放置することが大切です。早く乾くものでは、約10分程度から約20分程度で乾燥するものもありますが、多くの場合で約30分程度から約1時間程度は放置する必要があります。
完全に乾かないうちにワックスに触れてしまうと、ワックスがうまくかからなかったり、フローリングを傷つけることになるため注意してください。
また、ワックスの量にムラがあったり、量が多いと仕上がりがきれいになりません。
業者に依頼することがおすすめ
ワックス剥離が起きた部分にワックスがけをするときには、フローリングを傷つけないように細心の注意を払いましょう。また新しく塗布したワックスにムラなどが起きないようにすることも大切です。
原状回復の費用を負担したくないから自分でワックスがけを行う人も少なくありません。しかし、自分でワックスがけをおこなうと、かえってフローリングに傷がついたり、ほかの箇所にワックス剥離が起きて、原状回復の対象になる場合もあります。
ワックスがけは自分で行うのではなく、ハウスクリーニング業者など、専門の業者に依頼することがおすすめです。業者に依頼すると費用がかかってしまうため、敬遠したくなるかもしれません。
しかし、業者に依頼すると、プロの技術できれいにワックスがけをしてくれるだけではなく、養生もプロがしっかりと行ってくれるため、ワックス剝離が起きた部分以外に、ワックス剝離や傷が付く心配がありません。
管理会社や貸主に連絡してから依頼しよう
賃貸物件では、ワックスがけを業者に依頼するときには、管理会社や貸主に連絡してから依頼するようにしましょう。ワックス剝離が起きた場合だけではなく、フローリングを綺麗に保ちたい場合でも、物件に何らかの作業を加えるときには、連絡が必須です。
無断で物件にワックスがけなどをした場合には、原状回復の対象となり、その費用は借主の負担になります。
入居中にワックス剥離が起きた場合であっても、自然損耗や経年劣化によるものであれば、入居者の負担ではなく、貸主の負担でワックスがけを行う必要があります。
原状回復の費用の負担を回避するためにも、ワックスがけを業者に依頼するときには、管理会社や貸主に連絡するようにしましょう。
まとめ
賃貸物件のフローリングの床にワックス剝離が起きた場合には、必ずしも借主が原状回復の費用を負担するとは限りません。ワックス剝離が自然損耗や経年劣化によるものであれば、貸主の負担によってワックスがけを行ってもらうことができます。
ただし、注意や管理を怠ったことが原因でワックス剝離が起きた場合には、借主の負担によって原状回復しなければなりません。自分でワックス剝離を補修しようとする人もいますが、自分でワックスがけをすると、ムラができたり、周囲を汚したり傷つける場合があります。
さらに、うまくワックスがけができなかった場合には、かえって原状回復の費用を負担しなければなりません。
原状回復の費用の負担を避けるためにも、ワックス剥離が起きたときのワックスがけはハウスクリーニング業者など専門の業者に依頼するようにしましょう。また、業者に依頼する前に、管理会社や貸主への連絡を忘れないことが大切です。