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賃貸マンションの退去時、ハウスクリーニングだけでは問題に


 

賃貸マンションを退去することになれば、ハウスクリーニング業者に相談したり引越し業者に家財道具を搬出してもらったりと、入居時の状態に戻す作業を借主は行います。

 

しかし、ハウスクリーニングで汚れをきれいにしても、実際にはそれだけでは問題になることもあるので、この記事でしっかり学んでおきましょう。

 

今回は、「原状回復」についてご紹介します。

 

原状回復とは

簡単にいってしまえば入居時の状態に戻すことです。

 

そのため、フローリング(床)に傷を付けてしまったら、ヘコませてしまったら退去時には補修費用にあたる原状回復費用を借主が負担しなければなりません。

 

なお、原状回復には国が指定するガイドラインもあるので、そちらと照らし合わせるようにして施工について決めていきます。

 

床(フローリング)について

賃貸マンションの多くの床がフローリングです。この床材の張り替えとなる原状回復費用は安くなく、補修するための減価償却もありません。

 

主に賃貸マンションで使われている床材であるフローリングは、天然材ではなく複合フローリングです。(合板表面に木材やシートを貼り重ねた床材)

 

複合フローリングでも天然材でも、傷がついたり表面のシートが剥がれてしまったり、物を落とせばヘコんでしまいます。

 

ここでは、一般的なフローリングについてご紹介しますが、最近の賃貸マンションでは畳、タイル、フロアタイル、クッションフロア、大理石など、さまざまな床材が敷かれています。

 

そのため、張り替え施工になるのか、補修になるのかは判断できかねます。もっとも費用がかかるのは大理石など、床材として価格が高いものになるでしょう。

 

原状回復費用について

床材の張り替えのための原状回復費用には、「㎡単価請求」と「枚数請求」がありますが、費用としては1枚あたり約5000円〜7000円ほどです。(1㎡あたり1万円ほど)

 

床材の張り替え工事では、傷がある部分を一部張り替える方法や、すべてを張り替える方法などがあります。賃貸マンションの場合には、小さな傷であっても0.5㎡〜の張り替えが必要になります。

 

なお、原状回復費用については本来なら安く済むこともありますが、管理会社によっては同じ床材がないなどといわれたり、一部の張り替えはできない契約だといわれることもあり、原状回復義務については入居前にしっかり契約内容について話を聞いておくことが大切です。

 

借主と貸主での負担

退去することになり、家財道具などを運び出した際に、床材が剥がれたり、色落ちしていることに気付くこともあるでしょう。

 

長年使用している床材は、フローリングの場合だとワックス掛けをしなければなりません。経年劣化により割れたり、剥がれたり、色落ちなどは避けられなくなります。

 

この「長年使用した」場合の床フローリングの剥がれや色落ち(色あせ)については貸主負担で原状回復を行います。

 

床張り替えになったとしても貸主が負担します。ほかにも、家具の跡、黒ずみなども貸主負担です。

 

しかしながら、退去時に返金されるはずの敷金が返ってこなく、「借主負担」で原状回復費用を請求されるケースも一部で起こっています。

 

問題になるのは、借主の知識不足です。原状回復について知識を持たないからこそ、請求されなくてもよい張り替え費用を支払う必要になります。では詳しく見ていきましょう。

 

原状回復の対象にならない

床についた傷や変色のうち、家具の設置によるヘコみ、設置跡は借主の負担にはなりません。家具を設置することは必然的なことなので、通常の範囲内での損耗にあたります。

 

また、色落ち(色あせ)についても、日当たりの良い物件であれば、日照は避けられませんから負担ゼロです。張り替え費用は貸主が負担します。

 

反対に、原状回復対象になる内容を見ておきましょう。

 

例えば、引越し作業で生じた傷については過失に該当する場合が多いです。さらに、色落ちも借手側の不注意で雨が吹き込んでしまったのなら、借主の負担で張り替える必要になります。

 

小さなお子さんとの暮らしでは、床に落書きをしてしまうこともありますが、これも故意、過失によるものと判断されてしまうため、張り替え費用を支払う必要になります。

 

床の張り替えについて

一般的に、床(フローリング)の耐用年数は約20〜30年といわれています。もちろん、毎日のお手入れや定期的なワックス掛けなどで保つことはできます。

 

なお、原状回復ガイドラインでの耐用年数については22年と定められています。

 

張り替えが必要になる・ならない、どちらにしても賃貸物件の場合には入居者の判断で修繕することはできません。管理会社が判断するため、問題になるなら話し合いの場を作りましょう。

 

張り替えが必要になれば、管理会社あるいは貸主側が手配する業者が施工してくれるので、業者についてはあえて触れません。

 

しかし、業者選びによっても費用に差があるために任せっきりにしないことも必要かもしれません。どのような工事内容になるのか、事前に話し合いも行なっておきましょう。

 

床への対策

原状回復費用を抑えるために対策も考えてみましょう。原状回復義務により張り替えが必要になるのは傷、ヘコみなどです。

 

床にはカーペットや絨毯、マットを敷きましょう。家具の下にも敷板を入れるなどは必要です。小さなお子さんがいるなら、やはり床材がそのまま露出することは避けたほうが良いでしょう。

 

また、入居時には室内の傷や汚れを必ずチェックしておきます。

 

これは、退去時の原状回復トラブルを未然に防ぐ第一歩になります。もちろん、トラブルに見舞われた場合には相談できる専門機構もあるので、早めに相談することをおすすめします。

 

おわりに

賃貸マンションの場合には退去時に必ず、原状回復工事が行われます。

 

今回は床についてご紹介しましたが、実際には壁、窓、サッシ、建具などにも原状回復工事が必要になります。壁も張り替え工事が必要になるため、どこまでなら負担にならないのかを管理会社に質問しておくと安心できます。

 

できるならば、入居時は清潔さを保ち、定期的にハウスクリーニングを行うと安心です。

 

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